Alibaba Cloud

Alibaba Cloud（アリババクラウド）について

Alibaba Cloudはアリババグループが展開するクラウドコンピューティングサービスで、既存の従量課金モデルとサブスクリプションモデルを採用しています。中国では「阿里云」という名前で知られており、2009年9月の設立以降、急速に成長を遂げています。日本市場への進出は2016年12月にSBクラウドとの合弁によって開始されました。

会社概要

Alibaba Cloudは本社を杭州に構え、北京やシリコンバレーなどにも研究開発センターを設置しています。このように、中国国内では大きなシェアを持ち、2018年前半にはIaaS分野でAmazon Web Services（AWS）やMicrosoft Azureに次ぐ世界第3位となりました。このような地位は、中国市場の競争の激しさと、アリババグループが持つリソースに起因しています。

提供サービス

Alibaba Cloudは非常に多岐にわたるサービスを提供しています。具体的には、Elastic Compute、データストレージ、リレーショナルデータベース、ビッグデータ処理、DDoS防御、コンテンツ配信ネットワーク（CDN）などがあります。これらのサービスは、世界中に分散する21のデータセンターと64のアベイラビリティゾーンを通じて提供されています。

グローバルなシェア

Gartnerによれば、2020年4月の調査でAlibaba Cloudはアジア太平洋地域で最高のIaaSプロバイダーとされ、3年連続で第1位を獲得しています。加えて、世界的にもAWSとMicrosoftに次ぐ第3位の地位を持つことが評価されています。これは、アジア太平洋地域に特化した戦略が功を奏している結果といえるでしょう。

国際的な展開

中国国外でもサービスを展開しており、シンガポール、アメリカ、ドイツなどで活動しています。特に、Alibaba Cloud Intelligence Internationalが統括しており、中国政府の規制を受けずにビジネスを行っています。中国国内向けと国際向けでは提供するサービスが異なり、中国サイトを利用するには国内の携帯電話番号や銀行口座の登録が必要です。そのため、日本を含む国外からは国際サイトまたは日本専用サイトを用いる必要があります。

日本におけるサービス

日本向けにはソフトバンクとの合弁により、2016年12月からサービスが始まりました。東京にデータセンターを持ちながら、アベイラビリティゾーンが2つ設置されています。しかし、2021年3月にSBクラウドが日本サイトを終了したため、ユーザーは国際サイトに移行することが求められました。また、日本語サポートも継続されており、安心して利用できます。

データセンターの分布

Alibaba Cloudのデータセンターは、中国本土では「北京」「上海」「杭州」など、海外にも「東京」「シンガポール」「シリコンバレー」などに展開されています。この地理的な多様性は、ユーザーに対するサービスの信頼性向上に寄与しています。

課題と対応

一方で、いくつかの課題も抱えています。2019年にはAliyun Codeにおいて、エンタープライズユーザーのソースコードが流出した事件が発生しました。この問題は、パーミッション設定の不明確さが原因で、多くの開発者が誤解をしていたことが報告されています。また、同年には特定地域でのディスク障害が発生し、多数のサービスが影響を受けました。これに対しては緊急メンテナンスとともに補償が行われており、サービスの信頼性向上に努めています。

結論

このように、Alibaba Cloudは中国国内外で多様なサービスを提供しており、急速に成長している企業です。特にアジア太平洋地域では他のプロバイダーと競争しながら、着実に地位を確立してきました。引き続き、パフォーマンスの向上と安全対策の強化が期待されます。

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